こんにちは。山田です。
2026年5月にリリースされたOracle APEX 26.1に搭載されている、AIアシスタントによるアプリケーションの生成(AIアプリ生成)について、実際に色々試して分かったことを整理し共有させていただこうと思います。

とりあえず手元で動かしてみたい、とお考えの方は後半の「無償でAIアプリ生成を試すための手順」まで飛ばして頂ければと思います。

※本記事をお読みいただくにあたり、以下の点にご留意ください。

  • 検証結果等は、特定の環境・条件下で得られたものであり、すべての環境で同様の結果を保証するものではありません。
  • AIモデルの仕様・性能・提供状況は2026年5月時点のものであり、変更されている可能性があります。最新情報は各プロバイダーの公式ドキュメントをご確認ください。

使用環境

Oracle APEX 26.1(試用環境)
AIプロバイダー

  • Cohere(無料枠)
  • Gemini(無料枠)
  • OpenAI (有償枠)
  • Claude (有償枠)

更新履歴

日付更新概要
2026/06/01記事公開

実際に出来上がったアプリ

今回主に以下の3つの種別でアプリの生成を試しました。

  1. タスク管理アプリ
  2. 従業員情報管理アプリ
  3. ファイル登録アプリ

生成されたアプリケーションのエクスポートファイルも添付しますので、気になる方はご自身の環境で動かしてみてください。
以下それぞれについての所感になります。

タスク管理アプリ

タスク管理アプリ.sql
※「タスク・スプレッドシート」サンプル・データセットを利用

単一テーブルを基にした、シンプルなアプリケーションの生成を試してみました。
基本的なCRUDで完結する構成のため、個人利用であれば十分なレベルでした。
画面はタスク一覧・作成・カレンダー・概要のみのシンプルな構成です。

  • タスク一覧画面
タスク一覧画面
  • タスク作成画面
タスク追加画面
  • カレンダー画面
カレンダー画面
  • タスクオーバービュー画面
タスクオーバービュー画面

従業員情報管理アプリ

従業員管理アプリ_少テーブル.sql
※「EMP / DEPT データ」サンプル・データセットを利用

従業員管理アプリ_多テーブル.sql
※「HRデータ」サンプル・データセットを利用

テーブル数が多い/少ない両パターンを検証しましたが、いずれもAI生成そのままではひな形レベルの品質でした。
CRUDは概ね問題なく動作しますが、そのまま運用するのは現実的ではないと思います。
特にテーブル数が多い場合は、機能不足を感じる点が増えました。

ファイル登録アプリ

ファイル登録アプリ.sql

※こちらのアプリでは以下DDLで作成できるテーブルを利用しています。

CREATE TABLE "TEST_TABLE"
  (
    "FILE_NAME" VARCHAR2(255),
    "FILE_CONTENT" BLOB
  );

テーブルにファイルを登録する際、専用アプリを作ることがあったため、自然言語で指示するだけで作成できれば楽になるのではと思い試してみました。
単機能で要件が少ないこともあり、このパターンでは実用的なアプリが問題なく生成できました。
ファイル登録に限らず、単一機能のアプリを作りたい場面では有効だと感じました。

一方で、「アップロードされたファイル」と「ファイルのアップロード」が同一内容になるなど、冗長なページ構成が見られました。

  • ファイル一覧画面
アップ済みファイル一覧
  • ファイルの登録画面
ファイルアップ画面

また、File Content列のダウンロードリンクからファイルをダウンロードすると、拡張子のないファイルがダウンロードされました。
手動で拡張子を付ければ正常に開くことができ、中身も問題ありませんでした。

ファイルダウンロード結果

AIアプリ生成の挙動

アプリの生成を行うにあたって、より良い結果を得るために試したことについて共有させていただきます。
実際に触る際の参考にしていただければと思います。

プロンプトと出力について

まずプロンプトが同一の場合、出力結果に大きな違いはありませんでした。
同一のプロンプトでもモデルを変えると変化はありました。

プロンプトの制約

プロンプトはチャット形式で送るようになっており、以下のような形でアプリケーションの概要を提示してくれます。

アプリケーション提示画面

細かい指示は反映されなかったり、エラーで返って来ることもあるので、柔軟性はあまり高くありませんでした。
ただ、以下のようなAPEX内の固有名詞を使った指示は、比較的通りやすかった印象を受けました。

  • 「一般権限と管理者権限を追加してください」
  • 「対話モード・レポートの代わりにクラシック・レポートを利用してください」

プロンプトの工夫

言語は日本語・英語でほとんど差はなく、箇条書きやページ単位での仕様記述も効果は薄かったです。
一度アプリの概要を生成してから、追加要望をチャットで送る方が反映されやすい印象でした。

できなかった事・難しかった事

詳細なアクセス制御

アクセス制御自体はある程度実装されますが、権限に応じてボタンを非表示にする等の細かい制御までは行われず、一般権限ではデータ操作が制限される程度にとどまりました。

定形外のページ生成

生成されるアプリのページ構成は概ね、一覧表示・データの登録編集画面・グラフを用いた画面で構成されていました。
これら以外のページを作るように指示しても、想定するものは生成してくれませんでした。

複雑なアプリの生成

生成されたアプリケーションを確認した限り、内部でPL/SQLを記述している箇所は見受けられませんでした。
そのため、ノーコードで実装できる範囲がAIアプリ生成の実装範囲なのかもしれません。

モデルについて

26.1から多くのAIプロバイダーに対応しました。
その中から試してみたプロバイダーとモデルについて記載します。

  • Cohere(command-a-03-2025)
    • 無償でAPIキーを取得でき、キーの取得も簡単です。
  • Gemini(gemini-2.5-flash)
    • Cohere同様無償でAPIキーを取得でき、キーの取得も簡単です。
    • 精度については、後述する上位モデルと比べて大差のない結果となりました。
    • 特別な理由がない限りこのモデルを利用するので問題ないと思います。
  • OpenAI(gpt-5.5)
    • 無料のAPIキーは無く、従量課金制のAPIのみ提供されています。
    • 精度についてGeminiの無償モデルと大差はありませんでした。
    • 一度のアプリケーション生成に約5,000~10,000トークン以上を消費します。
    • USD 5で約70万トークンが利用できるようでした。
  • Claude
    • いくつかのモデル(Sonnet 4.6, Opus 4.7等)で試しましたが、相性が悪いのかアプリケーションの生成はできませんでした。(トークンは消費していたので接続の問題ではないと思われます。)

有償のモデルを利用する際に気を付けるべき点として、チャットで追加の要望を送る場合、アプリケーションの生成と同等かそれ以上のトークンを消費しましたので、ご注意ください。

無償でAIアプリ生成を試すための手順

ここからは、実際にAIアプリ生成を試してみたい方向けの手順について解説いたします。
ワークスペースについては、https://www.oracle.com/apex/から無償のワークスペースを利用できます。

AI機能の有効化・APIキー取得前準備

ワークスペース取得後、初ログイン時の画面から始めます。
画面右上のAIの有効化をクリックします。

AI有効化_1

画面右上の作成をクリックします。

AI有効化_2

AIプロバイダーは今回Google Geminiを利用します。
そのため、AIプロバイダGoogle Geminiを指定します。

AI有効化_3

ここでAPIキーが必要になるので、APIキーの取得を行います。

APIキーの取得

Gemini APIのホームページまたはドキュメントにアクセスし、
画面右上のAPIキーを取得するをクリックします。

APIキーの取得_1

初回はログインを要求されるかと思いますので、お持ちのアカウントでログインしてください。
ログイン後左側タブからプロジェクトに移動し、右上の新しいプロジェクトを作成をクリックします。

APIキーの取得_2

請求階層が無料枠になっていることを確認し、APIキーを作成をクリックしてください。
その後、キー名と選択されているプロジェクトを確認してキーを作成をクリックすると、APIキーが生成されます。

APIキーの取得_3

APIキーが生成されると以下のような画面が表示されるので、キーをコピーをクリックします。
これでAPIキーの取得ができたので、APEXの画面に戻ります。

APIキーの取得_4

AI機能の有効化

  • 名前に任意のサービス名を入力
  • アプリケーション・ビルダーで使用をオン
  • APIキーにコピーしたAPIキーを貼り付け
  • 静的IDに生成AIサービスの識別子を入力

その後、接続のテストを実行し、画面上部に「接続に成功しました。」というメッセージが表示されればOKです。
右上の作成ボタンをクリックします。

AI有効化_4

生成用テーブルの準備

AIアプリ生成にはテーブルが必須となっているので、サンプルデータセットにあるテーブルを利用します。
画面左のDBのアイコン、ユーティリティとマウスホバーすると現れるサンプル・データセットをクリックします。
自身でテーブルを作成して試す場合、テーブル作成後にアプリケーションビルダー > ワークスペース・ユーティリティ > データ・ディクショナリ・キャッシュと進み、キャッシュのリフレッシュを実行する必要があります。

AIアプリ生成_1

今回はタスク・スプレッドシートのサンプルデータをインストールします。
インストールをクリックすると、モーダルがポップアップするので、特に変更せず先に進め、最後に終了をクリックします。

AIアプリ生成_2

画面左のアプリケーション作成のアイコンにマウスホバーすると現れる作成をクリックします。

AIアプリ生成_3

生成AIを使用したアプリケーションの作成をクリックします。
この項目は利用できるAIサービスが登録されていないと表示されないようになっています。

AIアプリ生成_4

チャット画面が開くので、プロンプトを入力しメッセージ送信ボタンをクリックします。

AIアプリ生成_5

アプリケーションの概要が提示されるので、今回はそのままアプリケーションの作成をクリックします。
追加の要望をチャットで送ると、内容によっては要望を反映してくれます。

AIアプリ生成_6

アプリケーションのブループリントが表示されるので、もう一度アプリケーションの作成をクリックします。

AIアプリ生成_7

これでアプリケーションの作成は完了です。
作成されたアプリケーションを実行し、実際に動かしてみていただければと思います。

まとめ

使用するテーブル数が少ない等、小規模であればある程度有用なアプリケーションが生成できると思います。
一方で、複雑なアプリケーションをそのまま生成するのは難しく、あくまでプロトタイプの土台を作る程度にとどまる印象です。
実務では、生成されたページの中から使えるものを取捨選択し、再利用するような使い方が現実的だと思います。

以上で本記事の記載を終わります。
ご覧いただきありがとうございました。